ロディア(RHODIA)のメモパッド

すっかり定番となったメモパッドに注目

ロディア(RHODIA)のメモパッド

ロディアを生んだ会社は、1920年、フランス第二の都市リヨンに、アンリ・ヴェリヤックにより、創設された。 設立まもなく、弟のロベールも経営に参加する。当初の社名は、「ヴェリヤック兄弟社」。そして、RHODIAを、メモパッドを含むすべての製品の商標として登録した。「RHODIA」のブランド名の由来は、リヨンを流れる【RHONE】(フランス4大河川のローヌ川)に由来する。今ではすっかりおなじみの2本のツリーを模したマークは、アンリとロベールの二人の兄弟の絆を象徴している。そしてヴェリヤック兄弟社は、フレンチ・アルプスのグルノーブルにほどちかいセシリアンヌに移る。このとき、現在のオレンジカラーが、メモパッドの定番色として選択された。

立位での筆記を前提に、プロフェッショナルユースに耐える機能性と、すぐれたデザイン性から、多くの人に愛されてきたロディア。ヨーロッパの日常に欠かせないプロダクトであると同時に、アメリカ・カナダなど北米では、そのグリッド状のグラフ方眼フォーマットから、科学者、アーティスト、建築家・デザイナーを中心に、定番となっている。 アメリカの主要な建築学科のショップにも販売されている。時を越え、世界的な定番メモとなったオレンジ色の表紙は、フランスを代表する顔のひとつである。


画像(ロディアのメモパッド No11,No12)

No.11とNo.12の大きさを比較してみた。No.11は74o×105mm、No.12は85o×120oとなっている。左側にあるのが丸善のポイントカード。両方とも手のひらに納まるサイズでちょっとしたメモ、TO DOリストなどに機動力を発揮してくれる。No.11はポケットに入れても邪魔にならない、No.12はメモには必要十分な大きさだ。


画像(ロディアの紙)
ロディアのマイクロカット加工

ロディアの中身である。紫色の5mm方眼罫を用紙両面に印刷が基本仕様である。マイクロカット加工と極小な加工ミシン目によって1枚1枚が綺麗に切り離しやすく、切り口が両方とも美しく毛羽立たずに切り取れる。(写真右)

滑らかで反射のない用紙は、鉛筆にはやわらかいタッチを、ボールペンにはあざやかな発色を、万年筆にはインクにじみの無いスムースな書き味を保証してくれる。

私はロディアの一番の魅力は「紫色の方眼」だと思っている。万年筆インクの乗りが良く裏写りせずに滑らかに書ける点も良いが、国産メモパッドも大抵十分な紙質だ。たが国産メーカーでこの綺麗な色の方眼はなかなか見ない。この方眼の色と黄色いカバーは持っていて楽しいし、何かを書きたい衝動に駆らせてくれる。色々な色の万年筆のインクと楽しみたい。国産では有得ないだろう方眼の大きさが結構いい加減なところも許容したくなる。


画像(ロディアの筆記サンプル)
画像(ロディアの筆記サンプル)

オレンジ色のカバーの計算された3本の折り目により、表紙を360度裏側に毎回一定のかたちにすっきりと折り返すことが可能である。屋外や立った姿勢での筆記の際の安定感が約束されていると同時に、日常使いで生じる厚みと質感の変化の影響を最小限にとどめ、最後の1枚までステーショナリーとしての美しいフォルムを保つ。

ロディアへの初メモはゼミ。私が所属する研究室では、週一回「進捗状況発表」ゼミに当てられていて、この一週間の成果をプレゼンする。すると先生が、疑問点、問題点、課題、すべき事をアドバイスして下さる。プレゼンしながらメモするのにロディアはとても役立つ。その一部がこの写真である。ペンは「フランス」つながりという事でイブ・サンローランの万年筆(とは言っても、国産のライセンス品)に、ウォーターマンのブルーブラック。

ロディアは一応は方眼が両面印刷されて入るが、裏は使わない、と言うか仕様上使いにくい。私の場合はメモしたアドバイスを切り取り、家や研究室で実行し研究に反映させる。そして、切り取ったメモの裏にどの様な形で実行したかのソリュージョンを簡単に裏に書いて、保存している。

画像(ロディアの裏写り)
画像(メモ帳の裏写り)

ロディアのメモ帳と、一般のメモ帳を裏から撮った。左がロディアだが、右の一般のメモ帳よりインクの裏写りが少ないのが分かる。共に、ウォーターマンのブルーブラックインキを使用した。ロディアの厚めの上質な紙は万年筆に向いている。


ロディアの上部

ロディアのメモ帳の配慮が感じられる。左はロディアの上部を裏から撮影、右は前から撮影した。オレンジのカバーを止めているステープラーの芯は裏側には貫通せず、その手前の厚紙までとなっていて、安全性が考慮されている。細かいこだわりはさすがである。


画像(無印のヌメ革メモホルダー)
画像(無印のヌメ革メモホルダー)

写真は,無印良品のメモホルダー。牛ヌメ革で出来ているのに価格は1,890円。

ロディアのNo.12サイズがぴったり適合する。ペンホルダーと切り取ったメモを挟む場所もあり,機能的には十分だ。

ヌメ革の魅力は,経年によるその色合いの変化である。このメモホルダーの箱にも,使い込めば飴色に変化するような事が書かれているが,ネット上での評判を見てみると余り期待できないようだ。この革の質についても散々だ。私は,1,890円である事を考慮するとそんなに悪くないと思っているのだが。数ヵ月後の変化を楽しみにしている。

ロディア12とこのホルダーは,常に会社のデスクの上に出しておいて,いろいろな事を殴り書きする用に使っている。


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